今を置き忘れて
森田拓也

ごみ箱にポンと紙くづ冬隣

秋蝶の影消え風の軽くなる

つぶやけば淋し野菊といふ語感

うつむけば青空の色牽牛花けんぎうくわ

それぞれに名の美しく秋の草

団栗のひと粒に陽の温みかな

ころころと仔犬転がる花野かな

虫の音に気付く淋しさ街外れ

子の服に付いて旅する草じらみ

影どうし支へてをりぬ草の花


俳句 今を置き忘れて Copyright 森田拓也 2024-10-22 05:53:45
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