水球
たもつ



雨樋を解体する音
水球を続ける少年たち
耳の奥底にある
何もないところで
あからさまな私語は
途絶えていった
水飛沫の色彩に
少年の一人が目を瞑ると
黙祷のように
放課後は終わった
それから風の葬式が
しめやかに執り行われ
翌日もよく晴れた



自由詩 水球 Copyright たもつ 2024-10-21 07:13:05
notebook Home