リトルムーブメント
森田拓也

げんこつの様な顔して虫が鳴く

猫じゃらし風とくすぐり合ひにける

まだ夢を見てゐる様に蟬の殻

やきいもを割ればその湯気天高く

永遠に感じ栗むく指痛く

主人待つ仔犬繋がれ冬隣

取り調べカツ丼食はせ唐辛子

水遣りや植木の横で待つバッタ

朝顔や家の人まだ寝てゐます

階段に蟬うら返り暮の秋

鰯雲消えて青空満ちにけり







俳句 リトルムーブメント Copyright 森田拓也 2024-10-19 22:16:57
notebook Home