エクリチュールの仮面
あらい

いまもなお、見える客と 
経った店員の間に白いフィルムを刻む
縫い合わせた果実は 無言の
「ママ。覗き込んでいる」

自称老執事の眼球であるなら

生産は会話で 順番待ちは 対象物から、まぢわり
       風采は寝転んでいる、一軒家を嘱し
      向き合う生花は靴音の、線が引かれる
    窪みに礼拝 己だけの枯れたカーニバルが
      気道しない寓話だ、拭うように、大抵
誰も知られない代理者たちのポケットに羽根が企む


   「あなたはともにおられるからです」
   袋詰めされた錯覚を 起こさせるほど
 (濃厚なうれいが 近づく 気配を招かない)


山脈の本を読んでいると
もつれるように反り返って
たのしいゆめを 天に向けて 
花が伸びていく様子を見つめている

   それを、飲み込んだ冷たい息が触れたものは
      燃え尽きた糸の裏側に膨張する蛆虫が
  疲労感片手に、透明な手袋がリズムを刻むのだ


まるで動物は、自画像がきれた セカイがもとで
晴やかな思考の唇に整えられ、あおく駆け巡る
シカイを自動ドアが さだめを持て余すように
ノートのメがゆらりとを交叉点を引きずり


〝ただ湿度が見てるだけ置かれた A to Z〟

 (後に折れた椅子の脚が、ははは。) 

       
誰もがそれは書庫で孤立する      机上で、
                   窮屈で。
                 ちょうどいい
劔 皮膚のように はにかむもので    嘆き。
                 埃まみれの額
                    /鏡が
周りのものを利用していた


   隣の棚には蜘蛛の脚がにじみ出し
   棘のない雑誌はすぐ塩水に浸かった
   古いラベルに描かれた おもちゃの車が
   うずくまる背後にある。光沢が 
   砂漠のまぶた 鉄の音をさがすように 
   あのみちに 焚火のつめあとの男は
   色あせたぬるま湯をこすりながら
   機械的な音を立てて開き、濡れた翼で鮮明だ


恐らく細い蛇が。
不完全なスプーンに。
衝撃で動く
そのたびに、
鈍く水のない圧縮と味        『raining』

 ひしゃげた土地との質感に反響する、ご機会を

マルシェの円も無限の眩しそうで それは遠くでは
だらしがない ラフの えがきなさい きまぐれに
まだ三時間の彼は真綿の花で。仰いだ/重力のない

(  、)

    一つ一つの自動ドアの床に散らばる画面を
 道行く人々の影が、時間が 歩き続けたものです


自由詩 エクリチュールの仮面 Copyright あらい 2024-10-13 16:52:46
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