鼓動
そらの珊瑚
窓から見える小高い山
緑生い茂るその腹に
数年前の豪雨災害で
怒涛の如く樹木はなぎ倒されて
深くえぐられた大きな傷は
年月をかけて
少し目立たなくなった
人のからだのように
山のからだもまた癒えていく
朝、起きぬけに開けた
東向きの窓から
ひんやりとした風が
今日へ飛び込んできて
生まれたての風船みたいに
すみずみまで深く吸い込めば
わたしの中でふくらんで
とうめいないのちを刻む
自由詩
鼓動
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そらの珊瑚
2024-10-12 14:11:03
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