幻影
花形新次
幻影の中に、死者の声が響く
兄さんの背中を追いかけて
風土病が蔓延るこの街で
無限の夢を見ることは
憂国の涙に似ている
アメリカの空の下
落ち葉が舞い散る
過ぎ去った日々も
色褪せぬ思い出として
心に宿る
抑えきれぬ感情と
渦巻く悲しみの中で
ただ一筋の光を求めて
今日もどこかで
幻影が踊る
自由詩
幻影
Copyright
花形新次
2024-10-11 21:37:51