走った
たもつ



ビーカーに触れると
質感のように剥がれていった
午後の授業はこの理科室で
いつまでも続くのだと思った
ショウリョウバッタしか
見つけられない
そんな真昼の夏の日があった
ただ大声で笑いたかった
ただ笑いたくて
蒸気機関車の真似をした
走った
走った
多分
走った、だった



自由詩 走った Copyright たもつ 2024-10-10 09:52:24
notebook Home