悲しみ。
田中宏輔
1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + …… = 1
1 = 1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + ……
1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + …… = 1
1 = 1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/32 + 1/64 + ……
半分+半分の半分+半分の半分の半分+半分の半分の半分の半分+…… = 1
1=半分+半分の半分+半分の半分の半分+半分の半分の半分の半分+……
半分+半分の半分+半分の半分の半分+半分の半分の半分の半分+…… = 1
1=半分+半分の半分+半分の半分の半分+半分の半分の半分の半分+……
だから、悲しみの半分を悲しみではないものにする。
残った半分の悲しみの半分をほかのものにする。
さらに残った半分の半分の悲しみの半分をほかのものにする。
これを繰り返して、悲しみを限りなくほかのものにする。
それなのに、残ったものは、最初にあったものと同じもの、
同じひとつの悲しみであった。