(精神を安定させてくれる徒然書き)
「ま」の字

札幌の市街地は
徐々に西から山影に入ってゆく
ほら
人魚たちの棲息する台地のようじゃないか
あの
東市街地は
あかるい
薔薇色に浮かびゆき




  ここは
  穏やかな漁村のような集落だな
  道化や祭り人形のような扮装なりをした
  おれたちがゆくと
  壁に
  海老や蟹の影は
  静かに這いずって




 神宮宮下通りを抜け
 小さなお好み焼き屋の角を曲がれば

 荒海や

 (夏よ、まだら日のざわめく荒れ丘よ)




孤立して動かない
曇天だった

ああ
窓の外は
世界がはためく
精神が
ああ はいいろの街が
空しくかぜに羽搏き
とりよ
おまえたちが見えなくなって
既に久しい




  穏やかな窓辺は
  どこかかなしい
  まんどりんひとつきこえない都市の空
  に
  衛生的でやさしい
  手

  のような
  薔薇色




(放たれた窓は すべて銃だ

 が
 花たばノ記憶 沈めて ある

 曇天 )


  きこえるか かえりたかろう

  弾はyahi野卑に解放された




ここはどうでもいい土地がらだな

重機 トラック
水たまりのあいだを
おっこちそうになりながら
ひろいあるく

いちめんちらばった空の破片が
水辺に鈍くひかっていた



自由詩   (精神を安定させてくれる徒然書き) Copyright 「ま」の字 2005-05-22 17:02:56
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