指輪に祈る
むくげ
指輪は束縛の証し。
縛られるのを許したということ。
縛りたいと伝えたということ。
溶した。酸のコップにぽとりと沈めて、なくなれなくなれ、と 溶した。
それといっしょに、不変を試した。
とけるなとけるな。
私と彼の絆。もしも永遠なのならば、こんなことで溶けてくれるな。
彼はきっと笑うだろう。
「また変なこと始めたな」、と、
絆を試した私のことを、笑って許してしまうだろう。
愚かな私と愚かな彼。いっそ殴り飛ばしてくれればいいのに。
「なんてことするんだ馬鹿野郎」!、と、大気圏までぶっ飛ばしてくれればいいんだ。