緑の町
ryinx


いつの日か、還る頃合いを待っていた
 ひとけのない停留所に 雨が、降っていた

行き先のないバスに、
いつもの場所で、ブザーを押さずに、

しらない土地へ、行ってみようと
 そんな風に、思った訳ではないけれど

窓硝子の、外の暗がりに通過する電灯を
ただ、
 ぼんやりと眺めていた

朝方になって、
 見知らぬ町を歩いていて、

ふいに、知らない人に、道を尋ねられて
 十字路の先を、なんとなく指さす





自由詩 緑の町 Copyright ryinx 2024-09-01 17:06:24
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