止めたくても
秋葉竹
蛇口が壊れたままだから
ポツリポツリと水が落ちつづける
心が壊れたままだから
止めたくても涙がこぼれつづけるみたいな
もう、いいがげんに、しなくては、ね
みあげる瞳にも澄み切った青空が
吸い込まれて来るみたいな気がする
小鳥が囀りながら小枝に止まっているよ
明るく視えるすこし先の未来を歌って
若葉はヒラヒラとやさしい風に舞い
新しい気持ちにさせる歌声が聴こえて
空いちめんを覆っているちいさな光たちは
楽しそうにたゆたっている微笑みながら
昔まいにち遊んだちいさなお寺の境内で
やったビー玉とかをなぜか想い出すよ
青空に透かすとちいさな無数の泡が視える
水色の玉が大のお気に入りだったな
心が壊れたままだから
止めたくても涙がこぼれつづける夜に
心が壊れたままだから
たいせつな想い出のなかに逃げこむんだ
もう、いいがげんに、しなくては、ね
無音の海に会いにゆきたいと心から想う
波音も無い凪のシンと止まった世界
あれから探しつづけ辿りついた今なのだから
今ならさざなみが心を洗ってくれるのかも
さいげつが心を洗ってくれたみたいに
やさしさだけで魂を笑わせてくれるのかも