止めたくても
秋葉竹


 

蛇口が壊れたままだから
ポツリポツリと水が落ちつづける

心が壊れたままだから
止めたくても涙がこぼれつづけるみたいな


もう、いいがげんに、しなくては、ね


みあげる瞳にも澄み切った青空が
吸い込まれて来るみたいな気がする

小鳥が囀りながら小枝に止まっているよ
明るく視えるすこし先の未来を歌って

若葉はヒラヒラとやさしい風に舞い
新しい気持ちにさせる歌声が聴こえて

空いちめんを覆っているちいさな光たちは
楽しそうにたゆたっている微笑みながら

昔まいにち遊んだちいさなお寺の境内で
やったビー玉とかをなぜか想い出すよ

青空に透かすとちいさな無数の泡が視える
水色の玉が大のお気に入りだったな


心が壊れたままだから
止めたくても涙がこぼれつづける夜に

心が壊れたままだから
たいせつな想い出のなかに逃げこむんだ


もう、いいがげんに、しなくては、ね


無音の海に会いにゆきたいと心から想う
波音も無い凪のシンと止まった世界

あれから探しつづけ辿りついた今なのだから
今ならさざなみが心を洗ってくれるのかも

さいげつが心を洗ってくれたみたいに
やさしさだけで魂を笑わせてくれるのかも









自由詩 止めたくても Copyright 秋葉竹 2024-08-26 22:00:25
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