白球
湯 煙



盆が過ぎ
盛りを越えず
しずくはおちない
八月

陽の下
きみよ

九回で終わると思うな
イレギュラーはつきもの

焼けた肩に仲間が触れる
口元にしずくがこぼれる
伝令の言伝が耳をぬける
控えていた者が駆け出す

死ぬな
きみは

どこへ




雲の下
黒いスパイクが地を蹴散らせ
砂埃が唸りをあげる
風が奪うゲーム


夕暮れ
誰もいない

うちあげた

めいいっぱい

 
   ※本文の修正を行いました




自由詩 白球 Copyright  湯 煙 2024-08-23 15:05:24
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