湿風とともに
唐草フウ

終末の
緊張感なんてなかったと思う
ただどこを見てたのかとか
なにを聞いてたのかは
波がさらっていったような
たまに断片が押し寄せて
引けばわたしも海に近づく



ジリつく路で
日傘をさして
しんどくなりその場に座り込んだ
そのかたちが 顔のない人間が
こちらを見ていた
いつも一緒にいる者と
いつかぶりに出会った気がする




てこ上げみたいに
動かせたらな
ただただ足を運ぶ
右往左往しているアリに
自我と葛藤を乗せて浮かぶ











自由詩 湿風とともに Copyright 唐草フウ 2024-08-22 19:22:54
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