パインサラダ
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パインサラダにするレタスをちぎり
水に反射した光をそっとボウルに散らせる
どうということもない休日の終わり
新しいドレッシングの蓋を開けた

レモンピールが見えなくなるまで刻み
胡椒とクルトンを同時にかみしめる
昨日のことさえ忘れてしまうのに
今ここに君と並んでいられる不思議

私たちはほとんどの時を黙ってすごし
お互いのからだを何度か静かに洗った
ひらいた窓から空へと流れだす香りのように

この思いもまぼろしなのだとわかる
最後の食事にしては
すこしもの足りないのがよかった





自由詩 パインサラダ Copyright soft_machine 2024-08-15 16:04:01
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