soft_machine

新鮮なみのりを睨む
可憐な枝の先っぽで水や 蜜をたっぷりたくわえ光と風にゆれ
何かに咥えられるのを待つ 豊かさを睨む

窓をのぞいたら 朝
朝は苦手、って 言ったらすこしは好きになってくれるかな
絡まないよう、光をあつめる

舌が裂けたのは自分のため
あなた達から裸のいい匂いがするから
歯がこんなに細かく生えたのも
ゆっくり飲みこみたくて
皮を脱ぐのは簡単だった
ひとりの女の子が
お婆さんになるまで大切にしてくれるじゃない
紋章を飾るつもりはなくて
でも印象的なのも嫌いじゃない
たまに鳴くけど
長すぎる
そんな呟きにも慣れた

はじめて 人間に会って
手足や 顔につく たくさんの器具を見た時
水に映った 自分とその影について思い知った
悲しむよりもっと強く肉体の深い場所で新しく泉がひらく
何かを憎める 悦び

私は、蛇
今は砂漠で年に一匹 ねずみを食むだけの存在
神さまはだけはご承知





自由詩Copyright soft_machine 2024-08-09 15:53:04
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