朝は丸くなっていた
山人

とおり雨が去ったあと
秋の虫が鳴いていることに気づく

草は成長することに少し疲弊しているかのようで
重くなった我が身をかがめてすらいる
どこまで生きようか、とか、目的もなく
ただ草は、神経を捥がれたかのように成長し続けていて
葛は自らの細い体に
自らの茎を巻き付けたりして上へ上へと伸びあがっている

ずっと空はうなだれて
時折見せる青の空も忽然と雨となったり
うねるような湿気と汗をもたらした

昨日、見えないなにかから解放された
見えないなにかの説明はするまい

盆が来るから
朝はすこし丸くなった


自由詩 朝は丸くなっていた Copyright 山人 2024-07-31 06:14:51
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