灼夏のいろ
リリー

 冷蔵庫から取り出した
 ガラス小鉢の紅茶ゼリー
 ノンシュガーのルベウスに
 ちょっと多めにのせる生クリーム

 リビングには尖った葉を上向きに茂らせる
 アンスリウムが、柘榴石のような
 深い赤色の花をつけて
 大人な夏の雰囲気を醸し出す
 
 休日に出掛ける素足のサンダル
 私の爪は、遊び心でビジョンブラッド
 直射日光を浴びている
 公園の花壇が、薄いマゼンダ

 釣り人達の銀竿が光る
 湖畔のなぎさ公園は犬たちのお散歩コース、
 今様色イマヨウイロの賑わいを見せる

 湖の対岸、北の空に
 わき上がる綿雲のまぶしさは黄丹色オウニイロ
 
 熱砂の上では姿を消してしまう
 蟻たちが、忙しげな今
 紅絹色モミイロの汗を流す
 
 そして
 近所に住まう友人宅では
 フローリングの床に躰を伸ばして寝そべる
 猫たちの、可愛いレッド
 
 


自由詩 灼夏のいろ Copyright リリー 2024-07-30 12:45:42
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