ひより
本田憲嵩

ひより、アヒルのひなどりの顔をしたとてもちいさな黄いろいペンギン。そのずんぐりむっくりな身体から、ほんのすこしだけ出っ張っているだけの、ちょこんとした、そのとても短い手足。その橙色のタラコのようなクチビルで、とてもゆるくこの世界を見つめている、そのふたつの小さな点のような黒い瞳。方角を変えて窓際の夕日を見つめさせてみる。なんだかとてもものさびしい。そのゆるさのなかにもちょっぴり翳りがあって。わずかばかりに突起した黄いろいアホ毛がすこしだけ涼しくなった夕風にかすかになびいているようにも見える。そんな風に明日を見つめている。そんな陶器製のとってもカワイイやつ。



自由詩 ひより Copyright 本田憲嵩 2024-07-28 13:45:26
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