墓参
ひだかたけし

木立、弧をなし
わたしを取り囲み
父の墓石 見つめ入る
初老の指先、震えながら

この道の終わりに立つ死 、

いつしか、

死への執拗な思いに取り憑かれ
今此処で生きて居るという意識、

渦巻く時空の裂け目
   父の墓石に反響させ

震える指先、そのまま真直ぐ炎天に曝す


自由詩 墓参 Copyright ひだかたけし 2024-07-21 17:56:22
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