ヒマワリ
ヒロセマコト
四月に種を撒いたヒマワリは
梅雨のさなかに大輪の花を咲かせ
真夏の太陽を待たずに萎れ始めた
虫食いの穴だらけの大きな葉には
小さな小さな
精霊蝗
(
ショウリョウバッタ
)
が二匹
同じ方を向いて乗っている
空は一面の雲
遠雷だけが響き
一向に雨は降らない
待ちかねたようなセミの声が
あちこちの木々から響き出す
今年の夏は短いよ
あっという間に過ぎていくよ
そう
きっとすぐに過ぎる
頭を垂れ
目を閉じてしまったヒマワリ
あなたの夏が
終わってしまった
自由詩
ヒマワリ
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ヒロセマコト
2024-07-16 00:22:06
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