なぎさ
そらの珊瑚

寄せては返し合う
はてがないことのふしぎ
ここから命がうまれたというふしぎ
だとしたら
この水はなにからうまれてきたのだろう
半島の先でぼんやり待っている三ッ石
今はまだ歩いてはいけないけれど
潮が引いたらまた行ける

だれを待っているんだろう

ひろったり
ひろいかえしたり
ばか、といったり
いいかえしたり

波が消してゆく
みずぎわのしょっぱいまほう
さっきのあしあとはもうなくて
たどりあうことはできない
底知れぬやわらかいすなはま


自由詩 なぎさ Copyright そらの珊瑚 2024-07-02 10:16:09
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