潤んでいる。日差し。君のその白い面持ち。夏のプールの青さを反映させながら、水面に浸かっている君の、まだ少しだけあどけなさを残した、その朱色のくちびる。水色の水鏡(みかがみ)にそっとくちづけて、とても甘やかな柑橘の香りが、夏の影の涼しさをともなって、その波紋をひろげてゆく――。 とおくの方では蜜蜂たちの羽音がとても騒々しくなる。