死んでも旬でいるために
菊西 夕座
死んでも旬でいるために
生はどんよくに波をかく
波うつことで脈ありと
信じていけるその日まで
脈動はきざまれた
きざまれてわかたれた
脈動はわかたれた
わかたれてきざまれた
わたしとあなたにわかたれた
脈動はふるわせた
わかたれた同胞を
脈動がなみうった
振動がつたわった
わたしとあなたがつながった
共鳴がなみうった
波間にうかぶ椿かと
みまがう春の紅ざかな
歌っているのは雷鳴か
共振がのびていく
しんでどうする
振動する
死んでどうなる
しゅんとなる
つぎのふるえで
旬となる
そらの光が波をうつ
しずむ魚がうきあがる
わかれた枝にも花がさく
死んでどうなる
しゅんとなる
わたしのなかにかつてのあなた
ひびいてつたわる春雷か
つぎの波きて
旬となる
あなたのなかにかつてのわたし
咲いていますかくれないに
くれても旬でいるために
生はどんよくに波をかく
なみうつことで脈ありと
また信じてわらうその日まで
しんでどうなる
しゅんとなる
つぎの波まで
しょげかえる
またくる波に
び笑するまで
しょげずにいきる
ししてもいきる
しんどうがつたわる
えいえんがつらなる