わたしがみつけたわたぼこり
そらの珊瑚

この世にやってきて
三ヶ月ほど経った赤ちゃん
乳しか飲んでいないのに
ぷくぷくと太った哺乳類
腕に輪ゴムをはめたようなくびれが出来ている
そこに分け入ると
赤ちゃんはわたぼこりを隠していた

寝不足で目の下には慢性のクマ
梳ることも忘れられたぼさぼさの髪
幸せをかみしめるひまさえなかった心

そんな日々の傍らで
いってしまえば塵芥の類の
小さなわたぼこりを見つけるたび
なぜあんなにもうれしかったんだろう


自由詩 わたしがみつけたわたぼこり Copyright そらの珊瑚 2024-06-20 11:30:39
notebook Home 戻る