きらきらひかる
リリー

 
 帰宅すると腕時計を外した私の足許にも
 転がっている ビー玉
 それらを這いつくばって拾い集める

 テーブルには星砂の砂時計
 昼も夜も
 理性という小瓶に詰めたはずの
 今日という日課がどれも
 中途半端に放り出されガラス瓶から弾け飛び
 翡翠色のビー玉に変容してしまう

 (出来る、出来ひんじゃない。やらなあかんねん!)
 綺麗事や辻褄合わせだけじゃ
 実生活は回らない
 やらなあかん
 
 なんとかしようと努めるけれど
 大人しくすれば生き辛い
 その反動で精神バランスを取れないでいる
 自分へのあほらしさが、
 フローリングの床にきらきらしている

 だからね
 お友達がお家に訪ねて来ると
 「ビー玉、踏まないように気をつけてね」
 苦笑いして誤魔化すの



自由詩 きらきらひかる Copyright リリー 2024-06-20 10:46:47
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