tableware dragon
mizunomadoka


儚公草の咲く丘に
ドラゴンの渦がある

魔術師らはそれぞれの王を唆し
その強力なポータルに軍を送った

壊滅的なその愚行の中で
皮肉にも勇者が生まれた
彼らは竜を支配し空を駆り
カラードラゴンを滅ぼした
鉱石ドラゴンを滅ぼした

星ドラゴンたちは門を閉じようとしたが
呪文は失敗し
大陸は地の底に沈んだ
六頭の竜が残り
魔法が消えた

彼はその末裔だと言った
小さくなってしまったけれど
食器ドラゴンの一族だと

私は先の戦闘を詫び
彼の曲がった柄を伸ばす

でもわからないな
人間よりも古い存在のドラゴンが
食器の名前を冠してるなんて

じゃあ
ナイフとフォークとスプーンが
きみたちを発明して名付けたんだよ







自由詩 tableware dragon Copyright mizunomadoka 2024-06-20 00:25:51
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