ロッテルダム
馬野ミキ

太陽とは太陽系のなかでもっとも内包する矛盾が大きい存在だ

くだらない分別
分かる、理解する ということのくだらなさ
そして逃す
逃し続ける
分からなものを逃し続ける
つまり不幸だから分かるのだ


臆病者は末永く生きる
そこには末永く生きるということだけが存在する
青空と救いを求める男は家のなかにこもったっきり出てこなくなったからね
見つけたんだろうね暖炉の炎の粒子か押入れの隅か何かに
埃のような何でもないものを見つけたのだろうね
彼はそれを妹だという

せかい、
いつかきみの家はきっと不慮の地震により潰れるだろう
星屑よ
ここは宇宙を高速で回転する惑星の上だぜ
何が起こっても不思議じゃないだろう
奇跡にも法則性があるんだ
科学、きみたちがもっとも臆病なものたちのために解明したまえ
魔法を。


自由詩 ロッテルダム Copyright 馬野ミキ 2005-05-20 04:15:49
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