天空の果てを想う
ヒロセマコト
日々豊かに降り続く雨は
山の頂きから川を下って
大地を潤し
海へと流れ
やがて世界の端から
宇宙へと降りそそぐ
波に流されるまま
地球からこぼれ落ちた私
遠ざかっていくのは
距離ではなく時間
もう戻れない時を想い
やがて私は一滴の水となった
昨夜窓から見た
星雲のその向こうの
数百億光年の果てへといざなう
この世に存在するすべてのものが
かつてそこにあったという場所
私たちがいつか
果てしなく長い長い旅のあと
還る場所に違いない
自由詩
天空の果てを想う
Copyright
ヒロセマコト
2024-05-26 22:44:45
縦