半生
レタス
生まれた事が嫌だった
父はギャンブル狂で
女にもだらしなかった
雨漏りと床が抜けたあばら家に住み
幼稚園にも行けず
ろくに食べることもできなくて
何時も腹を空かせていた
学校では給食費も払えず
周りからは乞食と言われ石を投げられ
殴られ 蹴られ
身体は何時も傷だらけだった
父がヤクザからの借金をし
高校を中退してぼくは働いた
二件のバイトを掛持ちして完済した
二回目の借金でぼくは父を勘当した
大検に受かって通信課程をしたものの
仕事が忙しくスクーリングに通う事が出来なくて
2年で中退した
まともに働こうとしてハローワークに行ったものの
雇用保険に加入していなかったぼくは相手にされなかった
勝手に電話をしてみたらと…
その通りに水処理プラント会社に電話をしてみたら
人事担当者は大卒しか採用しないと言った
ぼくは面接だけでもして欲しいと懇願し
担当者は面接だけならと言ってくれた
営業部長が不在だったので
専務直々の面接を受けた
私の経歴と意気込みを聞いて
専務は明日から来いと言ってくれた
それからは一心不乱に働いた
今の自分が在るのも父が居たからだと
漸く気付いた