寒暖差別
佐白光


 寒い寒いと振り撒いている

 どんなに寒暖スイッチを入れ替えても

 厚着をするしかないのです

 桜の花びらひらひらと舞い降りて

 緑の並木道に変わったときには

 暑い暑いが囁かれるのだ

 暑くても寒くても

 声に出して自己顕示すれば

 自己体温度は上下するのだが

 暑いのは嫌だ嫌だと振り撒けば

 必ず寒いも言いたくなる

 そして気分温度の平準化をはかるのだ

 


自由詩 寒暖差別 Copyright 佐白光 2024-05-11 23:12:23
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