めしべの思い
陽向(2躯-30~35)
比べてないと云えば
それはもうそういう風に考えている
芸術を忘れていた
自分の頭の中の誰かと戦い
ひたすら負け続けていたわたしは
いつからか勝つことばかり考えていた
そして念願の勝ちを得る
勝ちだすともう止まらない
頭の中の敵は味方になり
いつしか僕に微笑みをくれ夢中になってくれる
しかし周りは離れていくのだ
ああ、一人、また一人
どんどん人が離れていく
とうとう一人ぼっちになってしまった
にも関わらず、頭の中の敵だったものは
あなたが好きでたまらないという
上手くいきすぎた
芸術を思いだした しばらく忘れていた
芸術という痛みを
僕を支えてくれてた人たちは
僕の痛々しい感性が好きだったんだ
また、あまりにもできすぎた僕は
バカなふりして、いつしかほんとうにバカになって、芸術をしたいと思った
この文書は以下の文書グループに登録されています。
お真面目の詩集