太陽丼
本田憲嵩

太陽丼!
丼ぶりのうえに、
ただ目玉焼きをのせただけの、
とてもシンプルな、
たべもの、
熱々の、
透明なうすい膜を二本の箸でつきやぶって、
まるで黄いろい溶岩のように流れでてくる、
そのどろっとした卵黄の、その濃厚な甘さに、
炊きたての、白いご飯のほのかな甘みがさらに重なって、
その味わいにさらに深みが増す、
そこにすこし黒醤油を垂らしただけの、
とても濃厚な、茶褐色の、
ああ、なんという至福の味!
焼きすぎて、
卵黄がけっして硬くなってしまわぬように、
熱したプライパンから切り上げる、
重要な、
そのタイミング!
それは、
いつも、
朝の責務、
そのようにして、
毎朝、
とり込む、
黄いろい太陽!
玄関のドアを元気いっぱいに開けて、
青空に輝いている、
熱々の、
目玉焼き!
いってきます!



自由詩 太陽丼 Copyright 本田憲嵩 2024-04-28 14:20:01
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