伊藤さん
たま
伊藤さんからお手紙が来た
「二次審査通過のお知らせ」在中
あらま、ご丁寧にありがとうございます
ことしは二回目の応募だった
二月に六句書いてネットで投稿した
昨年は一九〇万句余りの応募があったという
すごいなぁ、いったいどんな世界やねん
あまりにも桁が違いすぎる
詩や小説の世界では多くて二〇〇〇通なのに
一年も二年もかけて書いたわたしの小説は
一次予選でなんの断りもなくポイと落とされる
俳句なんて五分あれば書けるのに
あまりにも理不尽だとおもう
それが投稿者の定めとはいえやはり落ち込む
でも、伊藤さんとこで落とされても気にならない
たぶんその理由は
一九〇万句という天文学的数字と
たった五分で書いたからという気軽な気分が
わたしを救うのだとおもう
だから、伊藤さんは人気があるのだろうか
最終審査の結果は一〇月だって
それまでに応募しなければいけない
宿題がいっぱいある
詩も小説も宝くじとおなじ
買わなければ当らない
つまり、応募しなければ当らないということ
って、言われてもなぁ
やっぱし落ち込むよなぁ