レタス

幼い頃は骨格模型が怖くて
理科室に入ることが嫌だった
火葬場という言葉も怖かった

今年はオーバードーズで逝ったきみと
幼なじみの岳父を弔って
真白い骨を拾った

そしてまた
父母と弟の骨を改葬するために
骨壺を開けなくてはならない

今では骨の美しさに魅入られ
愛するようになった

指で骨を探り
己のカタチを知る
なかなかしっかりとした骨だ
普通の骨壺には入らないだろう
骨格標本にはお誂え向きかもしれない

何時かパリに行けたなら
カタコンベを訪れ
幾万の骨が奏でる
無音の協奏曲に包まれながら
静かに眠りたい







自由詩Copyright レタス 2024-04-24 22:23:19
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