地下街
はるな


かけおちだというのに
きみは鞄いっぱいに猫をつめてきた
折れそうに細い指を赤くしながら

地下街でのむビールは
すこしだけ甘い気がする。
そう言って靴を脱いで
もうここでもいいかあ、と猫を放つ

殴ったり罵ったり
したかったとおもう
あのうすい肩のくぼみに
熱い指を押し付けて跡をつけたかった
したかった、殴りも、罵りも
そしてそれを君も知っていた

同意のもと
動けないまま
猫たちがぐるぐるのどをならしている
猫たちが
ぐるぐるのどをならしている


自由詩 地下街 Copyright はるな 2024-04-19 08:21:25
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