ただ 夜が 明けると なき、わらうことで
あらい

溶けていると感じられる温さ、毒を吸わされた展は、
そのものを刈り取る 氷上の青いタブーにある。
赤黒く汚れた鋸も。遠くのむらでは汚れなくキレイで、
きっと老いた姿で談笑している賑わいに過ぎない。
けれどパチパチと爆ぜる棘、その皮肉といい、
おしゃべりな二枚舌が閊えては 心地悪いから、
たすかりたい とおもう、域はゆるやかな苦みを射した
気化性の高い炎は、手首の切り口が腐敗してできた 
虚ろ目で。弱っていく 憂さ晴らしだとして
マーガレットの束を、運ぶ少年は風のようで
いっそ引っこ抜いたほうがいいんだろうとおもい
境界線を越え官能的に自分自身を傷つけている
どこにも浮上することができない、敵意でいた

喫茶店のラジオは知らない情景を引き付けてくる
ヒカリによってちょっとだけ 青をくすねて、
花の冠を被った女児が、あなたを花で飾るもよう。
散乱する人体の破片。散った花びらや虹色の粒が雫を纏い
濡れ羽の光沢と 溢れんばかりの芽を時に生やすかぎり
ストーブを背にこちらに微笑んでいた冬のあいだも
ただ 夜が 明けると なき、わらうことで


自由詩 ただ 夜が 明けると なき、わらうことで Copyright あらい 2024-04-17 08:02:11
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