農道で戦車を追い越す軽トラは
収穫したサツマイモを満載している
焼酎造ってるほうが平和だがな
軽トラの若者は思うけど
アル中の父親のいる家族にとっては
ちっとも平和なんかじゃない
砲塔はじっと動かない


35歳の息子に生活費をくれる母親は
クルーズ船への誤爆で死ぬことになる
対外的には誤爆ということで
まあ穏便に穏便に
けど本当は確信犯で
船が撃沈されたあくる日に
ある大物が死んだと発表される


精密攻撃なので市民への被害はない
とか言いながら
ニュースでは
顔に乾いた血のついた
ぐったりした子供の映像がこれでもかとばかりに流れる
精密に制御するはずの装置は
台湾や韓国の半導体と日本の電子部品でできている


妻には秘密で
愛人とクルーズを楽しんでいただけの市民だって
いたかも知れない