意識のキザハシ
ひだかたけし

瞳に光帯びた貴女が現れ
意識の壁に穴が開く

降り続ける雨に濡れ
迎えに来た母親を忘却し
走り廻る走り廻る
ずぶ濡れでへっちゃらで

胸の奥に鉛の重り抱え
死にかけながら
活きいき打刻し
華やぐヒビキ在りて

狭い溝道の
猛スピードで過ぎゆく
哀しげに崩れる貴女の相貌

白い手が伸びて来る
ああ誘いの階の光帯び

伸びて来る、伸びて来る

努め営み死につつ努め
このイノチだけは守らんと

瞳未だ光帯び捧げ立ちて






自由詩 意識のキザハシ Copyright ひだかたけし 2024-04-14 19:43:43
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