【夢の欠片】森のカフェ
レタス

暗い夜の森の中
オレンジ色の光が窓から漏れている
そこはカフェだった

老女が注文を取りにくると
ぼくは珈琲とザッハトルテを頼んだ

しばらくすると老女はウイスキーのロックを持って来た
「おまちどうさま。マッカランの18年です」
「珈琲とザッハトルテを頼んだのですが」
「申し訳ございません。今日は品切れでこれしかないんですよ」

マッカランはぼくの好きなウイスキーなので
「では、それで良いです」

ぼくはコクリとくちに含んだ
芳醇な液体が喉を通り過ぎた

「お代わりをください!」
「はい。少々おまちを」

やがて老女がやって来て
「珈琲とザッハトルテです」
「マッカランを注文したのですが… それに珈琲とザッハトルテは品切れと言ったじゃないですか!」
「だってそれはお客様の責任じゃないですか!」

メジロの歌声で目が覚めた



自由詩 【夢の欠片】森のカフェ Copyright レタス 2024-04-13 07:00:34
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