【夢の欠片】森のカフェ
レタス
暗い夜の森の中
オレンジ色の光が窓から漏れている
そこはカフェだった
老女が注文を取りにくると
ぼくは珈琲とザッハトルテを頼んだ
しばらくすると老女はウイスキーのロックを持って来た
「おまちどうさま。マッカランの18年です」
「珈琲とザッハトルテを頼んだのですが」
「申し訳ございません。今日は品切れでこれしかないんですよ」
マッカランはぼくの好きなウイスキーなので
「では、それで良いです」
ぼくはコクリとくちに含んだ
芳醇な液体が喉を通り過ぎた
「お代わりをください!」
「はい。少々おまちを」
やがて老女がやって来て
「珈琲とザッハトルテです」
「マッカランを注文したのですが… それに珈琲とザッハトルテは品切れと言ったじゃないですか!」
「だってそれはお客様の責任じゃないですか!」
メジロの歌声で目が覚めた