玩物喪志
レタス
樹齢300年を超える美しい欅の一枚板を手に入れた
奥行70cm 幅120cm 暑さ3cmの文机にしようと決めた
木工職人に仕立てて貰い
砥の粉を塗り込め1000番のサンドペーパーで磨き
生漆を塗っては拭き、塗っては拭き、それを六回繰り返した
完全防備をしたはずが案の定
全身がカブレてしまった
皮膚科のクリニックに行くと
これも案の定
見眼麗しい女医だった
皮膚科は女医が多いのだ
パンツ一丁になり全身の様子を診て
股間はどうですかと聞かれ
此処は痒くありませんと言った
危うく腫れた局所を見られてしまうところだった
では軟膏と飲み薬を出して置きましょうと言われ
極刑を免れた
仕上がった文机は緻密に流れるメロディーのような波紋が見事だ
何処の高級家具店にもない物になった
ぼくが亡くなったあとはどうしようと考え
博物館に寄贈することにした
大切に保管したら千年は楽しめる逸品になった