プリーズ、ナッジ、マイ、ヘッド
竜門勇気
なんて不幸なことなんだ
壊れた僕のバイクは
今朝の太陽も知らずに
四角い鉄の塊になったよ
当たり前のことさと言って
きみは笑ったようなふりをする
暗闇の中で誰かにキスするみたいに
ジョークが本当にうまいよ
こんなとこにいなくてもよくなったら
コメディアンになったほうがいい
ぼくはきみが目覚めないことを知っている
真夜中に雪が降ったらしい
なんだか気分が悪くてカーテンを触る気になれない
当たり前のことさと言って
きみは笑いかけるようなそぶりを見せる
暗闇の中でぼくにキスするのかもしれない
ぼくはきみが何しようとしてるのか知らない
暗闇の中だから
なんて不幸で悲しいことなんだ
きみが羨ましがっていたバイクは
今朝の夢が醒める前に無茶苦茶になっていたんだ
ぼくが酔っぱらっていたせいで
当たり前のことさともう一度言って
きみは真夜中の電車の中黙り込んでいた
一緒にいることだけ諦めなければいい
きみは二度と目覚めない
そう信じて暗闇でない場所で
ぼくはきみにキスをするのかもしれない