夜の梟
中沢人鳥
靄の籠る水面に
深緑の影が霧散する
確かに脈打つ枝と枝
不確かな夜の梟が
泣いている
曖昧な景色と
あなたが目を合わせた時
悲しくも
あなたの望みは
煙りとなって
梢の間に薄まってゆく
優しく
底なしの静けさ
月光の色に滲みる
夜の空から落ちている
梟の声が響いている
自由詩
夜の梟
Copyright
中沢人鳥
2024-04-09 02:38:12
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