わたしの小むし
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私の頭の中のかわいい小虫

私の水たまりにぬれた太陽で游ぐ小虫

固い脳の幹がこんなにも目を詰んでは

住めなくなると申し訳なさそうな小虫たち

雷に撃たれた電信柱の記録

なんとか海まで辿り着いた仔猫の記録

砂場に造られたグランドキャニオンの

天辺で風をながめる薄い小石の

記録の欠片から群をなして

無重量の水に粘られる小虫

私の頭のなかのかわいい小虫

絡み合う管の始末に忙しいから

憂う必要はどこにもなくなって

生まれては消え消えては生まれ

ことばの記録、やぶられ

ひかりの記録、ちらばり

こどくな記憶

どこまでも宇宙をほりすすむ小虫





自由詩 わたしの小むし Copyright soft_machine 2024-04-05 18:22:29
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