長辺
六九郎



長辺を探して街をさまよう
紙でできた街を
何も書かれていない真っ白な道の上を
ずっと歩き続けている
長辺を求めて
私は知らない
上がどっちで右がどっちなのか
私は小さなドット
私の歩みはブラウン運動のようでしょう?
そんなことよりなによりもまずは長辺だ
長辺を探さないことにはなにも始まらない
私はいつか長辺にたどり着く
そして二つに折りたたむ
まだまだやることは多い
何度も角と角を折り合わせる
私は私の世界に形と秩序をもたらす
多少いびつであったとしても

長辺はどこですか?!
僕の長辺を知りませんか?
なんてねじ式ごっこをしている場合ではない

長辺にたどり着いたら、次は角だ
長辺さえ見つかれば、あとは辿っていくだけ

私は今も広大無辺な街をさまよっている


自由詩 長辺 Copyright 六九郎 2024-03-27 23:59:59
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