A・Hへ
soft_machine
血液型のようなイニシャル
同じ時間を笑ったしあわせ
同じ夕日を 眺めた焼却炉の傍で
一番星を ヴィナスを指さして
雨の廊下を渡る時
図書室の扉を開く時
好きな娘に見られながら
私が部室で頬を張られていた時
君は公園でジイドを読んでいる
その名 アッハ、と呼んでみる
ダメな留年生へ 固い笑顔のタメ口で
話しかけてくれたね 親友
雪の降る日 彼は三十を待たず
骨と皮ばかりになり
冷たい息を吐き終えた
夜の電話には
その予感があった
どう応えていれば帰れたのだろう
運命のニートやめるんだ、って
もう親には苦労かけない、って
笑って逝けたら
それは天に対する ひとつの勝利