mugon
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無言でいられた
幼児の愉しみを
疑いなく無言でいられた間隔を
春が来るまでに思い出せたとしたら
花だけが立てる声
道ばたに膝をかかえ
前ぶれもなくはじまるあの声を
今も待っていられるのだろうか

ことば は、時にこころや影を
気まぐれに解き明かしてくれ
光が星座とをむすぶ
時どき眼ざす
偶の幻視、流体のような

作文、の時間、のあいだ中
火花がふくらんで
蛙が飛びこむ
水たまりに映えた
机でかわされる空間を
なんだろう、綺麗だと思い
時どき争いもする僕らだけれど
心を伝う見えるはずもない糸に
いつか漣でいっぱいになって
無言にかえろう
そんな声をあわそう





自由詩 mugon Copyright soft_machine 2024-03-23 21:42:59
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