口笛の音色
秋葉竹
潮騒の
やまない夜に落ちている
流木よりもウェットな夢
夕闇に
途切れず吸い込まれるような
祈りに終わる恋をした罪
海鳥が
微笑みながら静止する
沈められないブイの赤さよ
神さまに
祈る言葉も持たないで
少年時代は静かに終わる
のどもとに
突きつけられた嘘さえも
真綿でくるむやさしさと云う
生きるのを
やめておこうと軽口で
云える子どもの言葉の切ッ先
好きかもと
よく考えずに口にする
にどしくじったことなどないカン
まえをみて
人の道には悪がある
ことは踏まえて歩く砂利道
糸屑を
みつけたように指先で
罪を摘んでゴミとして棄て
この国が
未来を信じる夕暮れに
すこし掠れた口笛が鳴る