夕ぐれ
soft_machine

硝子の抜けた窓を透け
川に浮かべた傘いっぱいに
夕ぐれの街が溢れる時間

暮れる光のにおいに
昨日と明日が
すれ違う今が翳りとなってひそみ
貨車が黙って
曳かれてゆく不安で
すぐに下りはじめるレールも
いつか海へと引きこまれ

世界は赤く暮れきれ
膜は破られるけれど
いつ迄も終わりはこない
たぶん来てくれない

顔をあげなければ見えることはない
ただ失うまいと走るよ
花や鳥と同じ気持ちで





自由詩 夕ぐれ Copyright soft_machine 2024-03-21 11:23:12
notebook Home 戻る