さらばテニス・ボーイ
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ネット間のむくつけき影が
まるい指きどり、きらりコイン・トス
お気にいりのいち枚を
載せた型をじいっと見つめ
着地するまでどれだけ回ったか
数えてるんだと笑った

投げあげられた淡黄色の月が
頂点に達すると
腸にくい込むほど
ラケットごと叩きこみ
かき消すよう飛びはねる
サーブ、アンド・ボレー

咄嗟に片手をあげた仕草まで軽やかな
うさぎと、きつね風サーフェス
ほどよい風量だったね
そう、ずっと雨を流していたよ

そんな際どいダブルフォルトの始まりを
これから全天に賭けて
コートに散らかる
グリップエンド・ラバー





自由詩 さらばテニス・ボーイ Copyright soft_machine 2024-03-20 11:09:47
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